企画振り返りインタビュー「三原色」part3
1期生歌ってみた「三原色」制作秘話
代(@shirographic36):「三原色」監督、動画制作担当
9534(@kugomiyo9534):「三原色」動画制作担当
お二人はつくぶい!に初期から所属しており、これまでもさまざまな企画でマルチに仕事をこなしている。今回の「三原色」でも良い仕事をしてくれた。しかし……?
今回何も話すことないっす。
えっ困ります、思い出して!
いや……俺は代さん(監督)に「これは(実装するの)無理っす」て言ってただけで……。
そうでしたっけ。
俺、何を無理って言われてたっけ?
全体的に。代さんが動画編集初めてっぽかったので。
あー、俺がAE(Adobe After Effects)使い慣れてなかったから……。
二人はつくぶい!初期のコンテンツである明灯さんの「いけないボーダーライン」でも監督と動画担当として参加していた。今回の仕事の分担について話を聞いてみる。
ボーダーラインとは分担が違うんすよ。
演出企画はどっちの作品も俺がやっています。ボーダーラインは企画と演出を俺がやって、9534くんには動画編集を全部任せてた。三原色も企画と演出は俺なんだけど、動画編集は俺と9534くんで分担してる。俺が自信のない、3Dモデルを使うカットは9534くんに依頼するって感じ。
まあ俺期待してなかったんで。
ここで暴言が。
えっ代さんの動画に期待してなかったってこと?
はい。
はいって言ったよ!?
技術屋として健全な姿勢。
お二人の関係性がうかがわれる。
作業していて一番印象深いパート、作業内容を教えてください。
サビですね。KVに帰ってくるシーンで写真を切り張りしたり文字素材を入れたり、空間を作ることが楽しかった。あとは特に、融月レイさんのロケハンは入念にやりました。たくさんの人に協力してもらって、2~3時間かけて撮影しています。杏エイリさんはさくっと終わったんだけど、明灯さんは遅かった。車が停まってない赤信号で、かつ日中の写真が欲しかったので、あれも一人で撮れるまで粘りました。
絵コンテは?
絵コンテは楽しくなかったです。つらかった。使い終わったマヨネーズを絞りだすような作業でした……。
じゃあ初期の絵コンテと結構変わりました?
8割くらいは同じでした。
結構同じですね。
ただし、絵コンテが指示として体をなしていたのは六割くらいです。ゆえに変わった部分は少ない。もとから白紙だから……。でも絵コンテが上がらないと次行けないから、上がったということにして次に行ってました。見切り発車。ラップの部分は、「モーショングラフィックス」としか書いてない絵コンテだった。
誰?それ書いたの。
僕ですね。
爆笑
担当箇所で上手くいったなと思う部分を教えてください。
「モーショングラフィックス(文字アニメーション)」として(自分自身から)ブン投げられた部分、やってみたら意外とどうにかなり、満足な出来になりました。「記憶と回想」の部分は現代的になりました。やろうとしたのではなく成っていた……。
苦労してましたね。
該当パート500回は聴いた。
これに耐えられる者だけが動画編集できるのか……。
僕、1期生が卒業するのが耐えられなくて聴けなかったですね。
俺は完成したらずっと聴いてたよ、再生数ほしかったから。
視聴者さんたちに見てほしいポイントを教えてください。映ったか微妙なところでもokです。
……文字の配置は綺麗。タイポグラフィは良いはず……。(長考)実はサビで1期生たちが訪れている場所は、彼らがデビュー時にKVを撮影した場所になっています。三人での最後の作品として、出発点を振り返るような演出になっています。
今回、外部取材を行って実際に照明や音響機材を見てますけど、フットライトはマジで参考にしてます。機材まわりのリアリティをあげたかったので。
人脈がある方もつくぶい!は歓迎しています。
triggerのコラボも人脈ありきでしたからね。
手間がかかった部分、難産だった部分を教えてください。
絵コンテ……(沈黙)TXの映像を使うカットは、グレーディング(色合わせの作業)がよくわかんなかったです。
フットライトのモデリングです。曲線と、配線に時間かかりました。
監督からの指示がヤバかった部分を教えてください。
監督の指示がやばいっていうか監督自身が……。
わかりました。
では監督自身がヤバかった部分をどうぞ。
ラスサビの一枚絵、桐谷さんに背景まで綺麗に描いてもらったのに全部ぼかしたこと。
一同笑
トータル作業時間はどれくらいですか?
レンダリングは死ぬほどかかりましたけど、モデリングはあんま時間かかってないです。だいたい半月くらいでした。
代さんは企画の成立した2024年1月10日から2024年8月27日までですか?
はい……。その時間ずっとやってたような気もするし してなかったような気もします。
生活との折り合いのつけ方、作業時間の確保の方法を聞きたいんですが、折り合いついてたんですか?
ついてなかったね。
僕動画やり始めて3年目ですけど、授業期間中に動画やるのって、無理っス。
それはそう。
動画タスク(一度に)2本あると生活が成り立たないと思うんですけど。代さん大丈夫ですか。
返事はない……。
動画編集はうつ病になるって言われましたよ。記事の清書版には医学生常駐って書いて、新入生安心させましょう。
二人もいるからお得。
つくぶい!という組織の恩恵は、知識・技術のある人同士で協力し合えることにあると思います。簡単ではないけれど、頼めばスキルのあるクリエイターが集まり、一緒に完成まで走ってくれる。すぐ失踪するから、クリエイターって。そして集団での制作は、しばしば頓挫するものです。その点でつくぶい!は稀有なサークルだと思います。三原色は特に熱量のあるメンバーが最後まで作ってくれました。
作業期間中1番ピンチを感じた瞬間を教えてください。
締め切り割りかけて、いや、割って。
終わらないかなと思いましたよ。
終わったんだよね、不思議。
締め切り割った証拠出しますね。


「本来の締め切りを覚えていますでしょうか」って(爆笑)
確か本来の締め切り7月31日で、ばれないようにこっそり8月に入ったんだけど、10日にこれ(画像)来て、やべやべって……。うわ何だこの進捗表、具合悪くなってくるな。
7月19日時点で真っ赤なの終わるわけなくて。
そんなこんなで、完成作品が上がったときの感想を教えてください。
やっと終わった……ですね。再生回数伸びてくれ、とは思った。一晩寝て起きたらつくぶい!のこれまでのコンテンツにしては伸びてて、おっ!てなりました。
うーん、動画編集やってると感想が分散しちゃうんですよね。
だって全部中身知ってるもん俺(笑)
感慨というよりくたびれた感想みたいですね。
お二人の映像作品への「思想」の違いが垣間見られる一幕も。
俺は垂直、ないし水平以外の配置は認められない。クリーンでモダンな映像。だから9534くんにモーショングラフィックの部分は任せなかった。9534くんのはアバンギャルドな感じの作品。juvenileで(別のテイストを)開拓しててすごいなと思いましたね。それを見てトンデモ(トンデモワンダーズ)やろうと思いましたし。
三原色は実写に頼らざるを得なかったんですよね、俺がAE使い慣れてないからグラフィティをあまり使えない。けれど9534くんがjuvenileでわりとその、実写素材に頼らないというか……。そもそもPOPなのって自分で物を作らないといけないから難しいんだけど、挑戦しているのを見て、「9534殺す」と思って。
負けてられない、と?
いや、殺す。
そうなの(笑)
9534くんはポケモンっぽいひとつの世界観を自分のグラフィティで作ってた。だからトンデモの世界観を自分のグラフィティ、デザインで作りたいなと思いましたね。
トンデモに関しては絵師をいたわってあげてくださいよ。
補足:つくぶい!遅刻ランキング
ランキング1位
いけないボーダーライン 4~5ヶ月
ライバー本人が夏にあげたいと熱望していたにも関わらず投稿日はお察し。堂々1位。
ランキング2位(?)
snooze 期間についてはグレー
これに関しては明確に投稿希望決まってなかったからグレーであるらしい。
ランキング3位
juvenile 2ヶ月半
全部に関わっている人がいるな……。
俺ですね(笑)
最後まで大変な思いをしながら三原色を世に出してくれたお二人。2時間に及ぶ長時間のインタビューに協力いただいた。
本記事をもって「三原色」のクリエイターたちのインタビュー記事の掲載は完了します。最後までご覧いただきありがとうございました! 引き続き、つくぶい!のメンバーが魂を込めて生み出すコンテンツをお楽しみください。
文:yamato(@lefty_tea)